身体の古層
- 湯本裕二

- 7月2日
- 読了時間: 2分
更新日:7月7日
いらっしゃる方で、ここまでの身体の来歴を教えてくれない人がいます。
言いたくない、というより、そんな昔の病氣に意味があると思っていない、という場合がほとんどです。
先日も、ずっと身体を観させて頂いている方で、操法中に肘を操作していると、3才くらいの時に結核になったことがある、とポロっと言って下さった方がいました。
こっちからすると結構大きい情報なんですが、ご本人は大昔ですから、現状の身体と何の関係も無いと思っているんですね。
結核は胸椎3番に影響がいきます。
また呼吸器と肘も関係が深いので、この辺に違和感を抱いていたのですが、点と点が線で結ばれて、すごくその方の身体への理解が深まって、操法の焦点がとてもタイトに定まりました。
皆さん、ぽろっぽろっとおっしゃるんですよ。
そういえば、あそこ骨折したとか、大昔こんな病氣になったとか、ここをこんな手術したとか。
こっちからすると、「もっと早く言ってくれ」という感じなんです。
何十年も前の事だから今の身体の不調と無関係と思っているんですね。
繋がっているんですよ。
意識からは消去されていても、身体には積み重なっていますから古層が上層に影響を与えているんです。
だから最初に全て言ってくれれば時間も無駄にせず、合理的な操法になるんです。
でも、そういうものなんですね。
忘れているから、今の身体が正常に機能している、という面があるんです。
意識しだすと浮き上がってきますから、病氣や怪我だけでなくて、他の様々な事象もその方の中で関連付けられていくんです。
そういう時期なんでしょうね。
頭の中の配線が変わる時期。
ふと、そうなるんです。
身体を、追い掛けて追い掛けて追い掛けたから、ふと思い出して繋がるんです。
やっぱり無駄な操法なんて無いんですね。
日々耕すというか、収穫の為には畑を休ませる時間も必要ですし。
ぱっとしない時もあるんですけどね。この収穫の時の操法の為なんです。すべては。




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