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『ザ・パール』ハロルド・バッド、ブライアン・イーノ

『ザ・パール』というアルバムがありまして、昔から好きだったのですが最近ますます好きになって来たんですね。

 

ハロルド・バッドとブライアン・イーノによる作品です。

 

イーノは昔から好きでしたが、若い頃は尖ったものが好きですから、鎮静する時に聴くものでしたね。

 

子供がまだ生まれたばかりの時に音楽を聴きながらあやしていたんですけど、邪魔にならなったのがイーノの諸作だったんです。

 

その辺から耳が変わったんです。

 

整体操法の時に音楽をかけるんですが、野口晴哉先生はクラシックがお好きでしたので、操法時にクラシックをかける漠然とした決まりがあるんですけど、私はある時期から色んな音楽をかけるようになったんです。

 

そうすると、やっぱりイーノのアンビエントシリーズが良いんですねえ。

 

操法を受ける方にも地味に好評で。

 

それで考えたんですけど、イーノのアンビエントシリーズは自我が無い。

 

『Ambient 1: Music For Airports』という1作目は、タイトル通り空港で流されることを想定して作られています。

 

ほとんどのクラシックは、礼拝や貴族や国家の為に作られていたりして、空間の為に作られている音楽はほとんどありません。

 

構造は複雑ですが単純にテンポが速いものが多い。

 

せわしないんです。

 

整体を始めた当初は、エリック・サティの「家具の音楽」以降のものしか操法中にかけられなかったんです。

 

それから印象派からケージまで。

 

武満徹のピアノ曲は好きなんですけど、音楽が好きでない人には不氣味に聴こえるんですよ。

 

だから操法中にはかけられないんです。

 

ミニマルも聴いていてイライラするという人がいるので、好きですがかけません。

 

私は仕事中に好きな音楽をずっと聴いていられるから整体を仕事にしようと思ったんですが、いらっしゃる人で音楽嫌いな人もいます。

 

だからイーノのアンビエントシリーズとその影響下にある作品はありがたいものなんです。

 

整体は興奮させる方向の操法はしません。

 

鎮静させます。

 

少なくとも今の時代はそういう整体でないと機能しません。

 

ぼんやりしている人を覚醒させることもありますが、手順として弛めてから引き締めます。

 

とにかくイーノは邪魔にならない。

 

凄いことです。

 

個人的にはノイズが好きなので、いっぱいCDありますから、リクエストがあれば操法中にかけますが。

 

止めといた方がいいですよね。

 

マンションの一室なので苦情が来ますね。

 

野口先生は「調和」というようなことをおっしゃっていてバッハがお好きでしたけど。

 

私は世代的に「調和」といっても平均律や神の問題では無くて、音響空間の身体への作用を感じているんですね。

 

神とかあんまり信じられなくなりました。

 

仏教徒ともいえないです。

 

とはいえ空間と身体の調和に音響が必要なんです。

 

私は基本的に科学的に合成された薬が嫌いなんですが、音楽を薬として使うことは許容しています。

 

いつか『music for seitai』とかいうアルバムを作りたいものですよ。

 

ところで『ザ・パール』ですが、これは凄いアルバムです。

 

バッドのピアノとイーノの音響操作が最良の形で混ざり合っています。

 

世の中には無意味なコラボはたくさんありますが、これは真に創造的な取り組みでした。

 

1982年。

 

2026年の今ではもう、こういう姿勢でピアノにも音響にも取り組めないです。

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