ロングウォーク
- 湯本裕二

- 5 時間前
- 読了時間: 2分
先日小2の息子に「隣町までどのくらい?」と夜の散歩中に聞かれ、「100メートル」とか答えたんです。
そしたら違うとのことで、よくよく聞くと、隣の県までの距離。
「行きたい」と。
「往復4、5時間かかるよ」と言うと、それでも行くとのこと。
その夜は遅かったので、それで帰ったんです。
次の日、諦めたかと思っていたら、午後9時ごろに「行く」と。
約束したから、と。
しょうがないから出かけることにして。
八王子の家から、一番近い他県の相模原までも、何キロもあるんですよ。
まあ、途中で音を上げるだろうと思って、水筒と懐中電灯と護身用ハンマーを持って出たんです。
歩き始めて、あれこれ、目に入るものを説明しながら歩くんです。
息子は普段は人の話を聞かないので、ここぞとばかりに説明したり講釈するわけです。
学習塾の前を通った時に受験のこととか、社会の構造を解説したり。
「ハッカーになるには?」など。
駐車場の料金の相場の話をしたり。
30分くらい歩いて、丘の上から、遠くの明かりを指して、あのビルのさらに向こうが県境だよ、と言うと「行こう」というんですよ。
びっくりしたけど、それからも、ずんずん歩いて行って、真っ暗になって、墓場の前を通り過ぎたり、店も全部閉っていて。
パトカーが通るところで、職質面倒なので隠れたり。
結構怖かったです。
結論からいうと、11時過ぎに神奈川県に到着。
平日の夜に付き合いました。
普通の家でしたら、せいぜい日曜の昼にしよう、とか言うでしょうが。
息子は冒険したかったんです。
意識と身体が拡張される時なんでしょう。
その時その場が全てなんです。
こういう時は付き合わなきゃいけないんですね。
無駄の様ですが。
無駄ではないんです。
ずーっと歩きながら息子と話をしていて、中学生の時に読んだキングの『死のロングウォーク』をどうしても思い出しました。
翌日の学校は休みました。
学校なんてどうでもいいです。
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