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執筆者の写真湯本裕二

更年期障害、中年の危機

中年の危機という問題がある。

ユングは40歳くらいで生じると書いている。

 

簡単に言うとそれまでの行き方がそのぐらいの年から通じなくなる、ということ。

 

西洋占星術だと、サターンリターンといって、生まれた時のホロスコープ上にあった土星の位置に、また土星が一周して帰って来ることを言います。

約30年。

ここで、自分にとっての土星の意味が一新されるんですね。

土星の意味は、制限や規律や圧力、乾いていて痩せていて厳しいものを指します。

とはいえその強制力は繁栄の為の制限といえます。

 

こういった土星の力が常に自分に対して外側から加わっているんですが、この力の質が変質するんです。

 

自分自身を守るための外殻が変形するんですね。

それに応じて自分自身を取り巻く宇宙も変わるんです。

 

それで、いらっしゃる方の更年期障害、不定愁訴の話なんですが、更年期障害を訴える方の中には、心理的な要因としか思えない方もいるんですね。

 

身体を観ても、甲状腺にも、副腎にも、卵巣にも、たいした変動がないんです。

 

この場合は心理的な要因なんです。

 

社会と自分との間の観えざる契約の更新に失敗している、という印象を受けます。

 

野口整体では25歳まで身体は成長するとされています。

そこから先は、死にのみ向かうわけです。

 

私たちは一歩一歩着実に死に向かっています。

 

やはり40歳くらいでそのことに自覚的になります。

 

若い頃は死について余り考えません。

 

考えない方が健康的です。

 

ですが、40歳過ぎて死について黙考しない人は精神的に不健康だと思います。

 

更年期の問題は複雑です。

 

身体の裡の臓器の衰えと、自分自身の年齢に応じた精神構造の変化と、をなんとかやりくりしながら、同時に社会の変化に合わせてそれらを擦り合わせます。

 

薬を飲んでなんとかなる性質の問題ではないわけです。

 

身体と心と社会と生死とに向き合う時期なんですね。

 

一番大事なことは、手放すことです。

 

あらゆることを。

 

手放すという行為は上肢第四調律点という処に関係します。

 

そこを押さえて、ぽっと放した瞬間に、手の力が抜けるんです。

 

手の力と同時に心の力も抜けるんですね。

 

身体を通して心に触れているんですが、星々の影響も背後に感じます。

 

年を取ったら余分なものは手放しましょう。

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40歳前後は生まれ持つ天王星とトランシットの天王星の葛藤の配置も関係するかもしれませんね。


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