野口整体には、さまざまに個別の操法が存在しており、岡島瑞徳先生の門弟には伝承されています。
その中でも回虫駆除操法や小腸の基本操法などを最近私はよく使います。
回虫駆除操法などは、その名の通り、昔は回虫の駆除の為に使用していたわけです。
ですが、現在の日本人には回虫を持っている人はほぼいません。
ですので利用価値が余り無い訳なんです。
何で私が今使うのかというと、この操法は、操法の手順を抽象化して考えると、肝臓から免疫系に働きかける操法なんです。
操法の名称は回虫駆除と付いているのですが、肝臓から脾臓に働きかけるためのものなんです。
だから、回虫駆除以外の他の使い道もありうるんです。
小腸の基本操法も同じで、こういった操法が考案されたのは50年以上前ですが、その頃は腸内細菌叢といった考え方はなかったのです。
小腸の操法も直観的に使用していただと思いますが、現在の科学の知見を組み合わせると、古の操法に現代的広がりが出てきます。
最近、パプアニューギニアの方々がサツマイモを主食にしているのに何故筋骨隆々なのか、という問いに低タンパクの食事に腸内細菌叢が適応したため、という回答が得られました。
肉など食べなくても、腸内の細菌が働いて変換してくれていると、栄養などどうとでもなるんですね。
この研究で、栄養学など破綻したと思うんですが。
「一日何品目食べないといけない」とか。
そのことはまあいいです。
とにかく、近年の日本人の身体を操作するにあたって、小腸の基本操法は重要性を増した、と私は考えます。
ある操法の手順を抽象化して考えると。
そして、またその操法を他の操法と組み合わせて考えた時、まったく、別種の効果を発揮できるのです。
名称に捉われないことなんです。
もう時代が変わったんです。
私は、かつての名称はそれとして、操法の名称とか定義を一度書き換える時期に来ていると思っています。
手順は変えちゃいけないんですね。
名前を変えるんです。
そうすることで、操法の理解がさらに深まりもします。
野口整体の一派には、非科学を貫いている方もいますが、私は折衷派です。
科学も未科学も非科学も、どれも受け入れる懐の深さは野口整体にしかありえないものです。
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