上肢第四調律点
- 湯本裕二
- 5月23日
- 読了時間: 2分
野口整体には調律点という身体各部に操作する処があるのですが、上肢には七つあります。
それぞれの処には様々な用途があります。
先日、高齢の方の上肢第四調律点を押さえていたんです。
上肢第四というのは肘と手首の間の筋肉の部分にあります。
腕橈骨筋というのでしょうか、医学的に正式に定義された名称は良く知りません。
因みに、人によって微妙に位置はズレます。
兎も角、そこを押さえていたのですが、すごく弛いんですね。
ここが硬いと、感情的に硬くなっていて、何かを手放せないような心理状態になっているといわれています。
個人的にはこの上肢第四調律点は、身体としての感情というか、頭からくる感情の処理には使いません。
変な言い方かもしれませんが、そんな感じの処です。
それで、ここが弛いということは、この方の場合この世に対する執着を手放している、ということです。
そういう最終的な腕、終活の腕というものがあるんですね。
触れた瞬間に多くを学ばせて頂きました。
ありがたいことであります。
野口晴哉先生が「治療を捨てた」というのは、こういった経験をたくさん積まれたからだと思うんですよ(他にも複合的な理由があると思いますが)。
身体とこの世に対する執着を捨てているのに、死の直前まで治療をし続けるというのはその方に対する侮辱だと思います。
こういう風に感じると、自然と操法が治療の為のものでなく、死に向かう操法になるんですね。
あわてて補足しますと、早く死なせるとか、緩和ケアとか、そんなようなことではないんです。
もっと感覚的なことで言葉にし難いのですが。
感じることは大事です。
感じたことを出発点にして操法を設計しないと、根本的に間違います。
何を感じるべきかは、いらした方に教わるんです。
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